skip to main |
skip to sidebar
木 洩 れ 月 夜
- 千年樹林 -
八重むらさきに 谷を染める 月の光
絹の糸引く木洩れ月 かすかに届くその先に
忍んで暮らす人ひとり
なぜそこに
いつからそこに 尋ねる人もなく
夜露のような深い眼差し
もう 若くはない人だから
人の流れの中を 彷さまよ徨ったのかも知れない
時の流れの中で 翻弄されたのかも知れない
/
/
/
千年樹林 泉に揺れる 月の光
/
/
/
昔 落人が 住んだ 隠れ里
今も 忍んで暮らす 人 ひとり
なぜここに
いつからここに
咎める人も 今は もういない
/
/
/
風の音に追われ 月の光に怯え
遠くへ
遠くへ
この世の果てへと 逃れた 都みやこびと人
恨みも 祈りも 包んで
むらさきの谷
今も 密やかに 木洩れ月夜
恨みも祈りも包んで
むらさきの谷 今も 密やかに 木洩れ月夜
ページトップへ
酔 月 の う た 夜更けて 月は冴え 降りそそぐ
月に酔い 酒に酔う
今宵
/
/
/
風に吹かれ 風に吹かれ
風に吹かれて
草はなびく 木々はそよぐ 今宵
夜更けて 月は冴え 降りそそぐ
月に酔い 酒に酔う 今宵
/
/
/
風に吹かれ 風に吹かれ
風に吹かれて
草はなびく 木々はそよぐ 今宵
ざわめきは遠ざかり 憂いは遠ざかり
今宵 ひとり 月の宴
風にまかせ
心まかせ
月に酔い 酒に酔い
忘却の彼方へ 彼方へ 旅立つ今宵 ページトップへ
漂 さすらい 泊 の 果 て 風が哭なく 岬の町に漂泊人がひとり流れ 流れの 旅路の果て失った幾つかの夢幾つかの愛遥かに ゆらめく 長い夜嗚 呼胸に熱い いとおしき 日々よ遠い 遠い日のロマンスは 真夏のかげろう/// 砕け散る潮騒の時代ときこころ 行方 知れず祈る星さえ 未だ 定まらず寂しさよ仄白い闇よ夢のかけらよ果てなき 孤独よ 孤独よ嗚 呼胸に熱い いとおしき 日々よ遠い 遠い日のロマンスは 真夏のかげろうページトップへ
真 夜 中 の 声 を 聴 け
真夜中の声を聴け
愛する人の声を聴け
真夜中の声を聴け
戦場の地の声を聴け
路上を 砲たまが 飛び交う
子供が泣き叫ぶ 子供が泣き叫ぶ
真夜中の声を聴け
祈る母の声を聴け
真夜中の声を聴け
戦場の地の声を聴け
神の運命さだめの手の平
罪なきあの子が枯れてゆく
夢見る幸せ 知らぬまま
涙に抱かれ 枯れてゆく
真夜中の声を聴け
祈る母の声を聴け
いつになったら止むのだろう
あの子が怯える銃声は
いつになったら止むのだろう あの子が怯える銃声は
ページトップへ
無 常 郷 の 響 き
風が誘うよ 風が誘うよ
ここへおいでよ
すてきだよ
とても静かなんだ
君の持っているものはここにはないよ
君が大切だと思っているものもここにはないさ
だけどすてきなんだ
だから静かなんだ
もう少し年をとったら
もう少し年をとったら 君もここにおいでよ
/
/
/
ここにおいでよ
ここにおいでよ
ここには確かなものがあるよ
何にも揺らぐことのない確かなものがあるんだ
それは
そう
しなやかなバランスに育まれた在るがままの営み
だから
君をつつむ靄のかたまりはここにはないよ
君を裏切るものもここにはないと思う
だから
恐れることはないんだよ
もう少し年をとったら 君もここにおいでよ
もう少し もう少し年をとったら 君もここにおいでよ
ページトップへ